Y氏は強かに酔い、タクシー乗り場に向かっていた。すると途中で、露店の占い師を
見かけた。
「試しに占ってもらおうか」
「分かりました」
Y氏が手を差し出し、占い師は鑑定を始めた。
「あなたの手相には、近い将来に事業で大成功する運勢が見えます」
「本当かい」
「はい。但し、お酒には注意して下さい」
「分かっている」
Y氏は気を良くし、あと少し飲みたくなった。
やがてY氏はすっかり泥酔し、最後の店を出る。
「俺の人生は、前途有望だ」
Y氏は独り言を口にしながら、フラフラと道路へとはみ出した。そこへ運悪く車が
突っ込み・・・。
Y氏は致命傷を負った。そして死に際で呟いた。
「全く、酒の魔力というやつは、運勢に余計な手を加えやがる」
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