ある国に王様が住んでいた。
「我は偉大なり。我は最も神に近き者なり」
王様はそう公言し、絶対的な権力で全ての民衆から豊を吸い上げていた。その為に、
民衆たちの暮らしは非常に貧しかった。
ある日、王様は家来たちを従えて町を練り歩いた。するとそこに、一人の薄汚れた男
が現れた。
「何の用だ」
王様は、男を見下すように言った。
「王様に話があります」
「俺と話をするなど千年早いわ。虫けらよ邪魔だ、どけ」
「ほう、虫けらは無害とは限りませんよ」
「無礼者!こいつを捕まえろ」
そう叫ぶ王様に、男は隠し持っていた毒を放った。そして、うろたえる王様に男は
言った。
「俺は物乞いだ。一国の王様が物乞いに命を取られるとは、いい笑い話だ」
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