休日の昼下がり、Y氏はようやく目を覚ました。
ーもう、こんな時間かー
Y氏は布団から起き上がると部屋のカーテンをめくり、窓を開け放った。するとアナ
ウンスの声が聞こえてきた。
「只今、廃品を回収しております。不用品の処分に困っている方は、何時でも声を掛
けて下さい。あなたの事、待っています」
それは、とろける様な年若い女性の声であった。Y氏は声の主を想像しながら、思わ
ず鼻の下を長くした。
ーちょっと、見てくるかー
Y氏は、わざわざ廃品を探し出して表へ出た。そしてアナウンスの車に近付き、嬉し
気に中を覗き込んだ。
「お待ちしていました」
車内のオヤジがニヤリと笑う。
テープから流れ出る美声に誘われて、また別の男がやって来た。
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