2016年2月15日月曜日

第23話「マッチを売る少女」

「マッチはいかがですか」

底冷えのする夜の繁華街の片隅で、少女は行き交うオヤジたちに声をかけていた。そ

こを偶然に通りかかったY氏が少女に話しかける。

「お嬢ちゃん、マッチを売っているの」

「そうなの」

そう答える少女は、どことなく大人びても見える。

「いまどき珍しいね、マッチ売りの少女みたいで」

「そうでしょう。それでオジサン、買ってくれるの」

「せっかくだから、一箱もらえるかい」

「ありがとう」

「お嬢ちゃん、いくらかな」

「一箱三百円よ。ところでオジサン、いくら持っているの」

少女はそう言うと、上目遣いでY氏を眺めた。

「いくらって・・・」

「実は私、エッチ売りの少女なの」

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