「マッチはいかがですか」
底冷えのする夜の繁華街の片隅で、少女は行き交うオヤジたちに声をかけていた。そ
こを偶然に通りかかったY氏が少女に話しかける。
「お嬢ちゃん、マッチを売っているの」
「そうなの」
そう答える少女は、どことなく大人びても見える。
「いまどき珍しいね、マッチ売りの少女みたいで」
「そうでしょう。それでオジサン、買ってくれるの」
「せっかくだから、一箱もらえるかい」
「ありがとう」
「お嬢ちゃん、いくらかな」
「一箱三百円よ。ところでオジサン、いくら持っているの」
少女はそう言うと、上目遣いでY氏を眺めた。
「いくらって・・・」
「実は私、エッチ売りの少女なの」
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