その夜、とある繁華街で雑居ビルの火災が発生した。
消火活動は思いの外に難航し、火の勢いは一向に弱まる気配がない。
そこを歴史学者のY氏が偶然に通りかかった。
ーまるで地獄絵図だー
Y氏が見守る中で、逃げ遅れた人たちが窓から次々と身を投げると、野次馬から悲鳴
が上がった。
その後、消火活動は夜を徹して続けられた。
翌日の新聞で、Y氏は火災による死者が113人である事を知る。
ー確か、あの場所は...ー
曖昧な記憶を辿りながら、Y氏が文献を開いて火災現場について調べると、そこは確
かに処刑場の跡地であった。
偶然か、それとも...。
処刑場には113体の生首が並んでいたという。
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