2016年9月30日金曜日

第95話「透視力」

ドクターKは遂に透視薬を完成させた。

「先生、素晴らしい発明です」

「確かに。では、さっそく効果を試してみよう」

ドクターKの見守る中で、助手は透視薬の一錠を服用した。

「先生、驚きです。先生の服が透けて見えます」

「では、もう一錠」

助手はドクターKに言われるままに、二錠目を服用した。

「先生、今度は壁の向こうまで透けて見えます」

「なるほど。ではもう一錠」

こうして助手は透視薬を服用する毎に、どんどんと透視力を高めていった。

「どうかね、君はもう三十錠を服用しているが...」

「先生、これは究極の透視力です。全てが透けて何も見えません」

「研究は大成功だ!」

「ところで先生、視界を元に戻す薬はあるのですか?」

「これから研究する」

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