―こうなったら、強盗するしかない―
アキラは金に困り果て、隣に住む一人暮らしの老婆に目星を付けた。
「おばあちゃん、少し話があるのですが」
「あら、アキラ君。どうぞ中へ」
老婆が快くアキラを迎え入れる。すると、アキラは用意していた紐を老婆の首に巻き付けた。
「アキラ君、何をするの。アキラ君、アキラ君...」
部屋に吊るされた籠の中の鳥が騒ぎを聞いてパタパタと暴れ出す。
やがて老婆は息絶えた。そして、アキラは何一つ証拠を残さないように慎重かつ速やかに事
を成し終えた。
数日後、アキラの家に警察官がやって来た。
「隣の老婆殺害の犯人は、お前だな」
寝耳に水である。アキラは証拠を残していない。だが、籠の中には一羽の九官鳥がいて...。
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