夏の炎天下、道端でうずくまっていたY氏に、偶然居合わせた年若い女性が声を掛けた。
「大丈夫ですか。熱中症かもしれません」
女性はY氏に付き添い、適切な処置を施した。そして、三十分もするとY氏は回復した。
「本当に助かりました。せめてお礼だけでも...」
「気にしないで下さい。私は通りすがりの看護師ですから」
女性はそう言って立ち去った。
それから数年後、Y氏はとある歓楽街を歩いていた。
「少し遊んで行きませんか?」
呼び込みに誘われ、Y氏は店内に案内された。
「いらっしゃいませ」
薄明かりの下で、ナース衣装の女が艶めかしくY氏を迎え入れる。
「あっ、あなたは、あの時の...。なぜ、こんな仕事を」
「これも、白衣の天使の仕事ですから...」
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