その夜、Y氏と後輩は一台の車に乗って廃病院に到着した。二人は今日からこの場所で、見
張り役の警備を任されたのだ。
「先に君が入り口で見張りをしてくれないか。一時間経ったら交代しよう」
Y氏はそう言って車に残り、後輩は入り口に向かった。静寂の中で夜が深まって行く...。
やがて一時間が経ち、Y氏は車を降りて入り口へと向かった。
「交代の時間だ。何か異常はないか」
「はい、今のところは」
「先輩、それにしても気味が悪い場所ですね」
「確かに」
「ここで何かあったのですか」
「実は...、人がよく自殺している」
その時、二人はブルッと身震いし、そして自分たちの耳を疑った。
何処からともなく聞こえてきた第三者の叫び声...。
「早く見付けろよ」
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