一郎と二郎は双子の小学生。二人は帰り道の踏切で何時もゲームを楽しんでいる。そ
れは遮断機が下りてから幾つ数えて踏切を渡れるかという度胸試しの踏切ゲームだ。
その日、まず一郎が10を数えて踏切を渡った。
「次は僕の番だ」
二郎がそう言って列車を待つ・・・。
やがて警笛が鳴り、遮断機が下りた。
「1,2・・・」
二郎は11まで数え、急いで踏切を渡り始めた。そこへ特急列車が・・・。二郎は死ん
だ。
次の日、一郎は帰り道の途中で、遮断機の下りた踏切の向こうに二郎の姿を見た。
「早くおいでよ」
その声に誘われて一郎が踏切を渡る。そこへ特急列車が・・・。
一郎は二郎の声を聞いた。
「もう大丈夫。僕たちは、列車をすり抜けてしまうから」
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