2019年4月12日金曜日

第114話「眠りの後」


Y子の美貌は、この界隈ではかなりの噂である。

「私って、そんなに綺麗かしら?」

そんな独り言をつぶやきながら、Y子はいつも鼻高々だ。

その夜、Y子は行きつけのバーカウンターに座った。
 
「いつもの、ちょうだい」

お世辞にも美人とは言えない女バーテンダーに、せせら笑いながらオーダーするY子。

女バーテンダーは、いつものように横目でY子を睨み付けた。

差し出されたカクテルを1杯飲み干したY子は、なぜか強烈な睡魔に襲われる。

そして、いつの間にか深い眠りに入り

気が付けば、Y子は見知らぬホテルの一室にいた。

なぜか顔のあちこちに痛みを感じ、Y子が何気に鏡を覗きこむと

「この顔、いったい誰?」

Y子の美貌は一夜にして失われ

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